2023年の年末に日経平均株価が3月に4万円台を超えるなんて全く想像していませんでした。で、個人的に日経平均の勢いが衰えるのはどのタイミングなのか考えてみました。

これは、個人的な素人考えなので、あまり参考にしないでください。

まず、現在の日経平均株価がここまで勢いがある理由は3つあると思います。

①円安
②新NISA
③中国からの投資資金流入

まず①、円安になったので、海外から見ると日本の株価が割安に見える。1ドル100円のときと、1ドル150円では外国人から見るとこんな感じです。

1株900円の銘柄だと100株で9万円

1ドル100円だと90,000円/100円=900ドル
1ドル150円だと90,000円/150円=600ドル

株価が変わらなくても円安になるだけで、こんなに割安に見えます。だから外国人投資家が日本株を買っている、買ったのだと思います。

②2024年から新NISA制度が始まり、旧NISAよりも非課税投資枠が増え、その投資枠を使った買いが株式市場に流れているのは間違いないのかと思います。自分が思った感覚だと、テレビで取り上げられる頻度もかなり増えて来ていますよね。旧NISAと新NISAの違いと言えば、投資枠の増額と投資枠の復活というくらいじゃないでしょうか。投資枠のインパクトが大きいのか、平均株価が最高値を更新したからなのか、みんなの関心が高くなっていますね。今まで投資していなかった人たちも投資し始めているという印象を受けます。

まあ、投資枠は旧NISAに比べると3倍になっているので、今まで旧NISAの投資枠をロールオーバー(非課税期間が終了した投資資金を新しいNISAの非課税投資枠に更新すること)しかできなかった人たちが、新たな資金を非課税投資枠として投資できるのですからそこそこインパクトがあったと思います。

NISA口座を利用している割合は、2割から3割くらいだそうです。仮に500万人が100万円投資したとすると、5兆円になります。なかなかのインパクトですね。つみたて投資枠と、成長投資枠を合わせると最大年間360万円の非課税投資枠があるので、まだかなりの余力があると思われます。

普通に考えることができていれば、新NISAの資金が流れ込んでくることくらい予想できそうですが、実際に起こってみないと確実にそうなるかはわからないものです。このことが予想できた投資家なら、2023年の年末に仕込んでいたでしょうね。もっとしっかりと調査しておくべきでしたね。

ちなみにNISAは2014年から始まっています。
2014年1月NISA開始
2016年4月ジュニアNISA
2018年1月積立NISA
2024年1月新NISA

途中で、下落する期間はあっても長期的に見ると日経平均も2012年から右肩上がりなんですよね。日銀もだいぶ買い支えていましたが、これにはNISAの影響もあるのでしょうね。

2010年より前のの日経平均株価って見たことあります?ひどいよ。日経平均株価2万円くらいが3年で8000円になったり、ようやく戻ってきたなと思ったら、サブプライムローンやらリーマンショックやらで、また急落。この頃は、NISAもないし、日銀も買い支えていなかったので、面白いように下落してましたね。でも、この頃からしこたま買ってホールドできていた人って、かなり儲けてるんですよね。下落を最悪だと思うのか、大安売りだと思えるのでは、大違いってことですね。

③中国の景気が減速しているため、その投資資金が、円安とあいまって、日本に流れてきている。

中国・上海証券取引所では2024年1月17日午前に、上場する日経平均株価連動型の上場投資信託(ETF)の売買が一時停止するほど買われていたようです。2024年に入ってからの日経平均株価に勢いがあったのは、このような中国からの投資資金流入も要因の一つだったのだと思います。

じゃあ、日経平均株価の勢いがなくなるのはどういうタイミングなのか?

上記の状況が反転したタイミングだと思います。

まず①円安が円高に向かうのはいつか?色々要因がありますが、ここ数年で急に円安に動き始めたのって2022年頭。この頃に起きた大きな出来事といえば、ウクライナ戦争。この戦争が始まったタイミングが2024年2月です。だからウクライナ戦争が終わったタイミングというのは、日本株にとっては下落のきっかけになりかねないのかもしれません。

不思議に思ったことがあります。なんで、この戦争こんなに長く続いているのか?こんだけ続いていると、なんだか戦争をやめてほしくない人たちがいるのではないかと思ってしまいます。池上彰のニュースそうだったのか!!で放送されていましたが、ウクライナは世界から日本円で約35兆円の支援を受けたそうです。これだけのお金が動いているのですから、この戦争で利益を上げている人たちもいるということでしょう。

日銀がマイナス金利を解除しました。で、為替がどう動いたかというと、一気に円安に進みました。通常、日本の金利が上昇すると円高方向に進むようですが、日銀の植田総裁が、「当面、緩和的な近環境が継続する」と発言したことで、円安に進んだようです。

②新NISAの投資枠を最短で使い切るのには5年かかります。なので、この新NISAについてはまだまだ買いに向かう資金は出てくると思われます。

この新NISAの投資資金の投資先は、日本株だけではないといこと。新NISAの非課税投資枠で外国株を買ってもいいのです。日本人が新NISAの投資枠で外国株を購入するということは、円を売ってドルなどの外貨を買うということ。新NISAの投資資金は円安を加速させている要因の一つだというのは間違いなさそうです。

このNISAという制度。制度を作っている側のインサイダーというか、株価操作できる有利な立場というか、なんだかもやもやした気分になるのは自分だけでしょうか。そもそも初めから旧NISAのような制度ではなく新NISAの制度を導入しなかったのか?初めから非課税投資枠1800万円で、期限なしという制度だったらもっと多くの人が利益をあげられていたことでしょう。

ちなみに旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできません。どういうことかというと、100万円投資して、期限が来たときに200万円になっていた場合。(旧NISAは無期限ではなく、5年間という期限がありました。)ロールオーバーできると、更新するNISAの非課税投資枠の100万円を使ってロールオーバーができるものでした。けど、ロールオーバーできないとこれを一度売却し、新NISAの投資枠200万円を使って買いなおさなければいけません。

NISAを段階的に導入したのは、株式って継続的に誰か買ってくれる人が現れ続けないといつか下落するもの。だから、年金や日銀が買ったものを買い支える何かが必要だった。それを作り出したというふうに考えてしまいます。でも、日経平均を押し上げるというのは、そんなに簡単なものではないのだと思います。あと、年金の運用など失敗できないお金を運用をしているのだから仕方のないことなのだと思います。

世の中に公表されたNISAという制度の情報。この情報を知らないという人はほとんどいないと思います。この情報を使って利益をあげられるように使うことができるかできないか。それが大きいですよね。世の中に溢れかえっている情報の中からどの情報が価値があるのかを選び出せるということがこの情報化社会にはとても重要なスキルなのだと実感させられました。

③中国の景気が回復してきたら、日本に投資していた資金を引き上げて、中国に投資するという人もいるでしょう。中国の株式の香港ハンセン、上海総合ともに上がり始めています。今年の1月終わりくらいに付けた安値を更新しなければ、回復していくのかもしれません。

その他、売ってくると思われるのが、GPIF(年金)などのリバランス。これだけ日経平均が上昇すると少しは、各資産(国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%)の割合がずれてもいいようですが、少しは株を売ってくるようにも思います。あと、日銀。マイナス金利解除と同時にETF(上場投資信託)の買い入れもやめると発表しています。今まで急落した際には、日銀が買い支えてくれていましたが、それがなくなる。今まで買い入れたETFをどこかのタイミングで少しは売ってくるでしょう。うまい具合に売るのだと思いますが売り圧力になりそうです。

あと、バフェットが売ったら、結構下落するでしょうね。