ユーチューブを見ていて偶然、この「13歳からのアート思考」という本を紹介してる動画を見て、読んでみたいなーと思ったので読んでみました。

末永 幸歩 (著)

美術館って、そこそこ行くのですが、ぶっちゃけどんな感じで作品を見たらいいのかよくわからなかったんです。実際に見ても何がすごいのかよくわからないところもあって、もやもやしていたんです。有名な芸術家の展覧会となると本当にたくさんの人が見に行きますが、みんなどんなことを思って作品を見ているんだろうと気になっていました。

この本を読んで、自分で作品をよく見て、自分が感じたいように感じればいいのだということがよくわかりました。

音楽を聴くときに、あれやこれやと考えながら聴いていますか?自分は、ただ単にいい曲だなとか、もう一度聴きたいななどと思うくらいで特に何も考えないで音楽を聴いています。アートもこれと同じでいいのだということ。ただ単純にその作品と向き合えばいい。

作者がどういう思いを込めてその作品を作ったのかもあるけど、その作品を見て、自分なりにどう思ったのかも大切だということ。

この本を読んだことで、もしかして、こんな風なことを思って作ったんじゃないかとか、こんな思いを込めたとか、そういうことを想像することもできるようになったんじゃないかと思います。

現実をありのままに表現するのではなく、作者が再構成しているということを知った時、ピカソの絵にはそういう視点が埋め込まれていたんだと理解できました。

それと同時に自分ならどんな風に再構成するだろうと考えるようにもなりました。もし、自分が絵を描くとしたら、2次元の平面の中にどんなものを再構成して表現するのか。写真のようにその時の風景をそのまま表現する必要はない時に、どんなものを入れ込むか。考えるとなかなか楽しいです。

今まで、考えなかったような考え方ができる。1枚の絵の中に、別角度のものや、別の時間枠のものも入れ込むこともできる。自分が想像さえできれば、なんでも入れ込める。絵ってすごいなって思いました。

でもこれって、アートだけじゃなくて、色々なことにも応用が利くような気もします。自分が今まで経験してきた固定観念というか、フィルターを通して世の中を見ているだけで、そのフィルターを取っ払えば色々な考えができるようになる。色々なことに挑戦できるようになる。

写真が出てきたときの、芸術家は本当に色々と考えてきたんだなと実感しました。写真にはできない表現の追及。ですが、今の世の中はもっと流れの早い時代です。こんな時だから、自分の考えを持つというのが大切なのだと思いました。

本の中では、アートを植物に例えています。

・アート作品を「表現の花」
・「興味」や「好奇心」「疑問」を「興味のタネ」
・アート作品が生み出されるまでの長い探求の過程を「探求の根」

空間的にも時間的にもこの植物の大部分を占めるのは、目に見える「表現の花」ではなく、地表に顔を出さない「探求の根」の部分。アートにとって本質的なのは、作品が生み出されるまでの過程の方。

パブロ・ピカソやアンリ・マティス、アンディー・ウォーホルなど、自分でも知っている有名な芸術家が評価された理由が、この「探求の根」の部分を追及していったからだということがわかりました。自分も人生を通して、「探求の根」を追及できたらいいなと思いました。

この本は美術とか、アートについて書かれている本ですが、この本に書かれていることは、アート以外にも通じるところがあると思いました。この本を読んだことで、少しは自分の視点も増やすことができたし、変な固定観念も取り外すことができるのではないかと思います。

答えの出ない問題や、答えのない問題を考えている方は、もしかしたら考え方のヒントになることがみつかるかもしれませんよ。