パチンコトレーダー5(1000年に一度の大地震は最強ドローダウントンネルの入り口だった編)を読んだレビューです。

坂本タクマ (著)

パチンコトレーダー6は2013年1月~2014年12月までの期間の内容で、黒田日銀新総裁就任(異次元の金融緩和)、アベノミスクでの上昇相場、2020年夏のオリンピック東京に決定、2014年4月消費税5%から8%へ増税決定、NISA開始、ビットコイン取引所大手マウントゴックス破綻、ウクライナ情勢緊迫などの出来事が書かれています。

流動性の高いTOPIX100銘柄について、1000円以下は呼値10銭単位、1000~5000円が50銭単位に(2014/7/22)

パチンコトレーダーは発売されているものは、6で最後です。読み終わった段階で、終わりのような感じはなかったので、著者はまだトレードを続けているでしょうし、パニック7ゴールドでは連載も続いていたのではないかと思います。これ以降を読むことができないのは残念ですが。

あのカリスマトレーダーとして有名なテスタさんも登場してきます。著者のタクマさんは、実際にテスタさんと会って話をしたようで、テスタさんもこのパチンコトレーダーは読んでいたそうです。テスタさんもパチプロから専業トレーダーになったようです。自分も知っているトレーダーの方がマンガに登場してくるのは面白かったです。

この本を読んで、歴史に学ぶというのが本当に大切なことだとつくづく思っています。この本を読んで過去に起きた出来事と今起こっている出来事を比較することができます。

この当時証券会社の手数料はどんなだったか覚えていませんが、マンガ内では、手数料が値上げされたと言っています。今では考えにくいですが、SBI証券の手数料が高いから、岡三証券に変えたと何巻か前には言っていました。でも、現在は手数料無料です。なんて株取引をするには恵まれた時代なのかということ。

2014年1月からNISAが開始されました。2024年1月からは新NISAが開始されています。2014年1月から3月までのNISAを通じた個人の購入額は1兆円を超えたそうです。この頃の投資枠は1年間100万円でした。新NISAは成長投資枠240万、積立投資枠120万と考えるとかなり投資枠は増えていますし、行っている人も2014年に比べるとかなり増えています。

そう考えると、ここ最近の日経平均やTOPIXが強いのも新NISAが始まったことが影響しているのかもしれません。

あと、手数料無料化。2023年10月くらいから楽天証券とSBI証券では株式売買手数料が無料化されています。今まで手数料を気にしていた人が、気にせずに頻繁に取引をし始めたというのもあるのかもしれません。

自分ではまだ考えつかないような、儲けるチャンスが広がっているのかもしれません。例えば、今まで、どうがんばっても手数料分は確実に期待値が悪くなっていたのに手数料が無料化されたことで、利益が確実に増えています。これ、頻繁に取引している人にとっては相当大きなことですよね。

言ってみれば、システムトレードを行っている人は、期待値を上げやすくなったということではないでしょうか。間違いなく。チャンスなのかもしれませんね。

そういうことも相まって、本日日経平均が35,000円を超えてきたのかもしれません。

この頃はじまった異次元の金融緩和、日銀がETFを年間数兆円ずつ買って行っていました。

2010年から2023年までの日銀ETFの購入金額はこんな感じです。
2010年 284億円
2011年 8003億円
2012年 6397億円
2013年 10953億円
2014年 12845億円
2015年 30694億円
2016年 43820億円
2017年 56069億円
2018年 62100億円
2019年 40880億円
2020年 68450億円
2021年 8014億円
2022年 6309億円
2023年 2103億円

これ、含み益もかなりのものですね。てか、これだけ買えば、そりゃ株価も押し上げられるわけです。こんなに買うことが分かっていたら、アベノミクスの最初の方で買って絶対に売らないですよね。この金融緩和を知っていて自分で株買っていた人もいるでしょうね。

マンガ内で、2014/10/31に日銀が追加緩和を発表して日経が急騰していました。追加緩和の内容の一つにETF買い入れ3倍ということが書かれていて、2015年から本当に3倍になっています。あんまり気にせずにニュースとか見ていましたが、わかる人がこのニュースを見ていたら株を買いましていたんでしょうね。無知って本当に損です。

日銀は上記以外に、2002年から2004年と2009年から2010年に銀行から購入したものやその他にもあるようです。

銀行から購入したものは毎年3000億円程度売却しているようで、2025年くらいには売却し終わるようです。2023年からは、日銀は買っている金額よりも売却している金額の方が多くなっているようです。

それを埋め合わせるように新NISAの個人が買っているというか、買わされているというか。なんか本当にうまくフェードアウトしていますね。でもこれだけの金額を売るなんてことができるのかなぁ。

これから、日経平均株価がどうなるのかも、過去の出来事と比較してみると読みやすくなってくるのかもしれませんね。