天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す 偶然を支配した男のギャンブルと投資の戦略(上)を読んでみた感想です。

A MAN FOR ALL MARKETS
FROM LAS VEGAS TO WALL STREET,HOW I BEAT THE DEALER AND THE MARKET

著者:エドワード・O・ソープ
翻訳:望月衛

NHKのフランケンシュタインの誘惑E+というテレビ番組で「ザ・トゥルース」という題名で金融工学について特集した回があり、そこに出てきたのがエドワード・ソープだった。その番組を見てエドワード・ソープに興味が出て、ちょうど翻訳されたばかりの本書をみつけたので読んでみた。

エドワード・ソープは学者兼、ヘッジファンド経営者。現在まだ生きています。

天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上)では2/3以上が幼少期の頃から学者になり、ブラックジャックでカウンティングを行う話。残りが、ヘッジファンドを設立して、資金を運用していく話。PNP(エドワード・ソープが設立したヘッジファンド)を清算する前までのことが書かれている。

この本を日本にカジノができる前に読めて良かったと思う。カジノの建物自体に興味本位で入ったとしてもお金をかけてギャンブルすることはないかな。ギャンブルでも投資でも確率が大事だという事。当たり前のことだけど、このことをしっかりと認識できたのは良かった。

NHKの番組を見ていたこともあり、巻末資料を抜かして350ページほどだが、すいすい読めた。自慢話のような部分は多々あるが。

投資に関しては歴史やヘッジファンド、裁定取引などについて書かれているので私のような素人にはいい勉強になった。過去にダウジョーンズ工業株価平均(DJIA)が1日で約23%も下落したことも書かれている。ちょっとだけ、ウォーレンバフェットも出ててきます。

エドワード・ソープの話なので、エドワード・ソープに興味のない人には面白くないかも。