最近色んなものの値段が上がっていますが、お米の値段を調べてみたら、なかなかの値段になっていることにおどろきました。どんな安いお米でも5キロで税込み4000円以上になっていたんですね。これは備蓄米を放出しろっていう話にもなってきますね。

さすがに政府も備蓄米を放出するという発表を出しましたね。なので、備蓄米について調査してみました。

まず、政府が保有する備蓄米の量は100万トン程度だと言われています。で、5年経過した備蓄米を飼料用として売却するローテーションで、保存しているようです。

日本のお米の消費量は約800万トン。

で、自分が疑問に思った点がいつくかあります。

①不作でもなく、災害でもないのに備蓄米を放出して大丈夫なのか。
2025年が不作だった場合どうするのか。
②備蓄している米の新しい方から放出するのか、古い方から放出するのか。

100万トンの備蓄米の想像(10月に収穫したと仮定)
令和6年産20万トン(備蓄期間4ヵ月)
令和5年産20万トン(備蓄期間16ヵ月)
令和4年産20万トン(備蓄期間28ヵ月)
令和3年産20万トン(備蓄期間40ヵ月)
令和2年産20万トン(備蓄期間52ヵ月)

令和元年産20万トン→5年経過したので、飼料用として売却(多分)

令和2年産の米を放出するなら、どのみち今年飼料用として売却するので、影響が少ないが、それ以外なら今年生産された米を備蓄米として購入する必要があるので、2025年産米はまた米の奪い合いになる。ただ、令和2年産の備蓄期間52ヵ月のお米が売り物になるものなのか。

備蓄米の備蓄期間による食味等の評価では下記のような結果だったようです。「5.非常においしく食べられる」、「4.おいしく食べられる」、「3.普通に食べられる」、「2.少し劣るが食べられる」、「1.受け入れられない」の5段階で評価

備蓄期間2ヶ月3.5
備蓄期間12ヶ月2.1
備蓄期間18ヶ月1.8

備蓄米なので、非常用という位置付けだからか、そもそもそこまで美味しいお米を備蓄しているわけでもない感じもします。

政府としては、飼料用として売却するよりも主食用として売却できれば、備蓄コストが減るのでこの時期の備蓄米放出はうれしいのかも。

2012年6月に政府備蓄米4万トンを放出したことがあります。この時は、2007年産が2万トン、08年産が6300トン、09年産が1万3700トンだったようです。

1ヘクタールから5.4トン(5,400キロ)の米がとれるとすると、20万トンの米を生産するのに37,037ヘクタール必要。

令和6年産水稲の作付面積135万9,000ha
備蓄米、加工用米、新規需要米等の作付面積を除いた主食用作付面積は125万9,000ha

参考
令和5年飼料用米の作付面積13万4,000ha(飼料用米が上記に含まれているかはよくわかりませんでした。)

これを見ると、日本の田んぼで現在お米を作れる田んぼは約150万ha程度だと思われる。日本にはかなりの耕作放棄地があるようですが、すぐにはお米を作れる状態にならないと思います。そもそも耕作が放棄されている田んぼなので、条件が悪く、現在の農家が作りたくないと思っている田んぼなのだと思います。田んぼが小さいとか、田んぼまで遠いとか、水の問題だったり、田んぼの形が悪い、日光が当たりにくい、石があるなど何かしらの悪条件があるのでしょう。

平成20年は備蓄米、加工用米、新規需要米等の作付面積を除いた主食用作付面積は約160万haあった。

備蓄米を放出したとしても、例年通りの備蓄量以上を確保するには、それなりに大変そうです。

2025/2/14追記*****

江藤農水相が会見で備蓄米放出についての詳細を伝えていました。

10万トンは令和6年産米
5万トンは令和5年産米

の合計15万トンを放出するとのことです。自分としては、今後のことを考えると令和2年産米から放出した方が無難じゃないかと思ったのですが、何かしらそれができない要因があるのではないかと思います。例えば、食べてみた感じで、とても主食用にはできないと思ったとか。2012年の備蓄米放出の時は、5年前の備蓄米も放出していたのだから、今回もそうしたらよかったのに。5年前の備蓄米だと、今市場に出回っているお米と、品質の違いから米の価格を下げるには至らないと考えたのかもしれませんね。

備蓄米放出スケジュール

2/17 関係者への説明
3月初め 入札の公告
入札の公告より2週間後に入札を行う
3月の半ばから備蓄米を集荷業者へ引き渡し開始

このスケジュールだと、備蓄米が市場に出回るのは早くて3月下旬から4月上旬ではないかと思います。

今回の備蓄米放出によって、政府の備蓄米は下記のようになると思います。

今年夏の備蓄米の状況(想像)
令和6年産10万トン
令和5年産15万トン
令和4年産20万トン
令和3年産20万トン

令和2年産20万トン 今年、飼料用として売却(多分)

今年の夏には、備蓄米の在庫が65万トンになり、2025年産米を35万トン買わなければならなくなります。買い戻しについては、基本的に1年以内と言っていましたが、それ以上かかることもあると述べていました。

35万トンの米を作るのに約55,000ヘクタール必要です。これ、確実に2025年産米も高騰しそうな雰囲気がプンプンしますね。2025年が、不作になったらどうするんでしょう。